「お墓は建てないつもりなので、海への散骨を検討しているのですが、、、」
先日のこのようなご相談を頂いたので、近年人気が高くなってきている海洋散骨についてお話していきます。
特徴
お墓の形や埋葬方法が多様化する中、新しい供養のかたちとして人気を集めているのが海洋散骨です。
遺骨はお墓に埋葬するというのが法律で定められているのに、
海に散骨することは違法ではないのかという疑問を持たれる方もいらっしゃるかと思います。
墓地、埋葬等に関する法律の第2章では、「埋葬、火葬及び改装の第4条で、埋葬又は焼骨の埋蔵は、墓地以外の地域にこれを行ってはならない。(引用元:厚生労働省)」とあります。
しかし国は、散骨に関して「墓地、埋葬等に関する法律においてこれを禁止する規定はない。」としているため、違法ではないというのが見解です。
海洋散骨は、陸地から離れた海域で行わなければならないため、船で散骨ポイントまで行きお別れのセレモニーを行うという特徴があります。
広大な海に手を合わせれば、どこにいても故人を偲ぶことができるという点も魅力です。
人気が高くなっている理由
元来日本では、亡くなったらお墓に入るということが当たり前といっていいほど一般的でした。
しかし、大好きな海へ散骨してほしいという声も多く聞かれるようになり、海洋散骨を行う葬祭業者が増えています。
また、都心部における墓不足の問題や、お墓の継承者がいないなどの社会背景もあって、海洋散骨の人気は年々高まっています。
核家族化や少子高齢化が進む中、お墓を持つことで子供や孫に負担をかける、お墓の維持に関する不安を抱く人が増えていることも事実です。
加えて、建墓には高額な費用がかかる一方で、海洋散骨は一般的にかかる費用の10分の1程度と低価格である点も人気の理由です。
お墓を持たないとことで、霊園の管理料や維持費もかかりません。
一周忌などの法要も親族や親しい友人などを招いた食事会という形で行われることが多く、費用面での負担がかなり軽減されます。
海洋散骨の費用

専門業者が打ち出しているプランは大きく分けて以下の3つのプランがあります。
①代行散骨プラン
遺骨を業者に預けて、スタッフがご遺族に代わって散骨するプランです。
船が苦手で乗船することが難しい方や、予算が限られている方に選ばれているプランです。
散骨の様子を写真におさめ、散骨を行ったポイントの緯度・経度・時間などを記録した散骨証明書などがご遺族に渡されます。
代行散骨プランの料金は、5万円前後です。
②合同プラン
合同プランは、2組以上の複数のご家族が一緒に乗船して海洋散骨を行います。
散骨ポイントに到着すると1家族ごとにセレモニーを行う場合がほとんどです。
1組あたりの乗船人数制限が少人数であることが多いのですが、少人数で静かにお見送りをしたい方や、なるべく低予算で散骨をしたい方に選ばれているプランです。
合同プランの相場は、10~20万円程度です。
③個別チャータープラン
個別チャータープランは、船を貸し切りご家族や友人など親しい人たちのみで海洋散骨を行うプランです。
船は貸し切りなので、他のご家族に気兼ねすることなくゆっくりとセレモニーを行うことができます。
乗船人数は事業者によって異なりますが、数名~多い場合は50名以上が乗船することも可能です。
個別チャータープランの場合、好きな日時に出航することが可能な場合が多いため、スケジュールを調整しやすいというメリットがあります。
個別チャータープランの費用は、セレモニーに参加される方の人数や船の大きさによって金額が異なりますが、
15万円~50万円程度が相場です。
注意点
海洋散骨を希望するにあたって、以下の点を注意しておきましょう。
遺骨は粉骨する
墓地、埋葬等の法律を考慮し、散骨をする場合は遺骨であることが明確ではなくなるように、
1mm~2mm程度に粉骨化します。

遺骨の粉骨を自分で行うことは違法ではありません。
しかし、時間も手間もかかりますし心理的な負担が大きくなってしまいます。
粉骨は専門の業者にお任せした方が良いでしょう。
粉骨の料金は1万円~3万円程度です。プラン料金に含まれている場合も多いです。
散骨する場所への配慮
海洋散骨を行う場所は、海水浴場や観光地となっている海岸、漁場や養殖場の近くでの散骨は不可です。
北海道の長沼町では、散骨をめぐって地元住民とのトラブルが発生したため散骨を完全に禁止しおり、罰則を設けています。
長沼町の他にも散骨に関する条例を設けている場所もあるので、必ず確認をしましょう。
客船から散骨することも、他の乗客とのトラブルが発生する可能性があるため、避けた方が良いでしょう。
個人で行うのはリスクも大きく、専門の業者へ委託するのがお薦めです。
副葬品(遺品)について
海洋散骨される遺骨は粉骨化されており形としても残りません。
骨の成分の大半がリン酸カルシウムであるため、海洋汚染の原因にはなりません。
一方で注意しなければならないのは、副葬品(遺品)です。
環境問題に配慮し、副葬品は自然に還るものにしましょう。
海洋散骨の際の副葬品として一般的な物は、お酒やお花です。
お酒はお清めの意味もあり日本酒が一般的ですが、ビールを撒く方もいらっしゃいます。
希望の品がある場合は、委託する業者へ相談しましょう。
家族、親族への配慮
海洋散骨などの自然葬を行う方が増えていますが、まだまだ一般的ではありません。
先祖代々のお墓に入ることを望む方が多いという現実があるため、海洋散骨を希望される場合は遺族間でしっかりと話し合いをすることをお勧めします。
生前ご本人が希望されていた場合でも、遺族間で意見が食い違ってしまうことがあるため、書面に残すなどしておくとトラブルを避けることができます。
また、海に撒いてしまうと、お墓参りの際に手を合わせるシンボルがないという点から、一部を散骨し一部をお墓に埋葬するという方も多くいらっしゃいます。
残されたご家族間で争いが起こる、後悔するといったことが起こらないように、ご遺族でしっかりと話し合いをしておきましょう。
まとめ
従来型の一般的なお墓を持つよりも安価で、お墓の維持・管理などの心配もないことから海洋散骨の人気が高まっています。
海洋散骨は違法ではないため、ルールやマナーを守ればどなたでも行うことができますが、ご遺族の間でしっかりと話合いを行うことが大切です。
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