人気の家族葬ですが、家族葬に決まった定義があるわけではありません。一般の葬儀は儀式として、進行があらかじめ決まっているので、ある程度、葬儀会社に任せておいてもトラブルは葬儀会社が責任を持って対処してくれるので問題はありません。
参列に呼ぶ人々も一般の葬儀では決まっているのでそう悩むこともないでしょう。しかし、家族葬となると参列者を選ばなくてはなりません。そこで、トラブルにならないように家族葬に呼ぶべき人と、呼ばなくて良いと考える範囲を考えていきましょう。
家族葬でトラブルになりやすいこと
意外にも一般的な葬儀に比べ、家族葬ではトラブルが少なくないようです。
参列者の選定のこと
主にトラブルになる原因にあげられるのが参列者を選ばなくてはならないことです。まず、故人様の訃報を連絡するときに、誰と誰に連絡すればいいのか?呼ばなくてもいい人は誰なのか?を判断するのが難しいのです。
ご遺族様の判断で線引きをして、呼ばなかった人々と後々トラブルなることがあるのです。お別れのあいさつをしたかったのに、「なぜ呼んでくれなかったの?」と詰め寄られることがあります。落ち着いた環境で身内だけで葬儀を望んでいたことを伝えても後味の悪いことになります。
費用面のこと
次にトラブルになる原因はやはり費用のことです。家族葬も一般的な葬儀と流れや進行具合にあまり違いはありません。注目されるのは費用を抑えられることです。人数や式の規模を考えずに葬儀会社のセット料金を鵜呑みにして、それ以上は費用が掛からないと思い込んでしまうことにあるようです。
式場を決めた場合は、葬儀会社によく相談して、見積もりの内容をしっかりと確認します。見積もりの段階で数社に問い合わせておくことも出来ればした方が良いでしょう。食事代や会葬返礼品が含まれていない場合もあります。お寺様のお坊さんにお渡しするお布施などの金額は含まれていないことは前提です。
追加料金は一切不要と書かれている場合も、葬儀には思わぬ費用が掛かることを頭にいれておかないと、何も知らない状態で、見積もりを信じていると費用の高さに愕然とすることがあるので注意します。葬儀会社の方によく相談して確認してください。
家族とはどこからどこまで?
家族や親族とはどこからどこまでを指すかを把握しましょう。よく携帯会社の家族の割引は3親等までと聞いたことはないでしょうか?戸籍上の三親等のことを指しています。
[aside type=”boader”] 一親等・・・父母・子
二親等・・・祖父母・孫・兄弟姉妹
三親等・・・曾祖父母・曾孫・おじ・おば、おい・めい[/aside]
この三親等は血のつながりの深い関係といえるので覚えておきましょう。また、血のつながりがなくても同居しているのであれば、遠くに住んでいて、一度も会ったことのない親族よりも親しい間柄であることがあります。血のつながりだけが家族ではなく、婚姻関係で結ばれる関係も姻族として親戚や親族に入ります。
家族の線引きに悩んだ場合は、まず血縁関係を頭に思い浮かべてください。やはり、付き合いがなくても血のつながりを大切に考える人が多いのが現実です。疎遠になっていても親子の関係は大事に考えて今後のことも考えて呼んでおくと心残りがなくなることが多くなります。
家族葬で特に気を付けること
上記で述べた三親等の血の繋がりは、参考にしながらもすべてを家族葬に呼ばなければならないということではありません。故人様のお付き合いを把握している方がいればその方の意見を参考にしながら決めていきます。最後まで一緒に暮らしていた人が良く知っていることが多いです。
血のつながり以外にも親しい親族に声をかけるべきです。故人様が呼ぶと喜んでくれると考える人を選びましょう。なかなか、どこからどこまで呼べばいいのか線引きは難しいですが気を付けなければいけないのは、呼ぶべき人を呼ばないことです。
取り合えず、訃報は必ず報告して家族葬でひっそと葬儀を行うことを伝えて、参列の辞退をお願いします。失礼のないように、故人様の意志で家族葬を行った主旨を伝えることで、トラブルを避けることが出来ます。面倒でもその一言は忘れずに添えることも大切です。
葬儀を終えたら、無事に終えたことをハガキでも電話でもよいので連絡します。葬儀直後ですと、自宅に弔問客が多く訪れて対応に困る場合があるので、四十九日の法要に連絡することがベストなタイミングと考えておいて良いでしょう。
[aside type=”normal”] 気をつけることまとめ
・参列者選定の基準は「故人様が喜ぶこと」
・呼ぶべき人を呼ばないことがないように
・失礼のないように訃報を送りましょう
・葬儀が無事に終えたことを連絡しましょう [/aside]
家族葬に呼ばれたら
次は反対に家族葬に呼ばれた場合のことを考えましょう。家族葬という名がつくので、呼ばれた方は参列していいのか、遠慮した方がよいのか迷う場合があります。しかし、わざわざ声をかけたのは、参列して欲しいという遺族様のご意向があると考えましょう。
家族や親族であれば、故人様との思い出をご遺族様と語りあい悲しみを慰めあうこと出来る良い機会ですので心残りのないように、ご遺族様に心を寄せて故人様を偲びましょう。ご家族でなくても、故人様と親しかったのですから、ご遺族様の知らない良い思い出などを語ってあげると喜ばれます。
何か共通の想いをゆっくりと話すことの出来るまたとない機会です。家族葬ならではの、暖かい思いのこもった葬儀で故人様を見送ることが出来ます。
最後に
家族葬に呼ばない人々には、親族だけで葬儀を行うことを前もって連絡しておくことも大切です。近所の人であれば、町内の会長や会社のような組織であれば、代表者に前もって知らせておくとその方たちが他の人々に伝達してくれて、後のトラブルを招くことを避けることができます。
大切なのは、声をかける相手を選ぶときには、故人様のご遺志を尊重することです。生前からよく話し合っておくことは大切です。生きているときは、亡くなった後のことは話にくい話題であるには違いありませんが、トラブルを避けるためにも考えておきましょう。